「これから始めるエンジェル投資入門」に参加してきた

気がつけば前回のエントリから一年近く経ってしまっていたのであった。このブログでは IT 系のイベントに参加してその感想を書く、みたいなことをやっていこうと思っていたのだけど、しばらく忙しくなってしまったので、ここ最近はそうしたイベントへの参加はすっかりご無沙汰になってしまい、更新が止まってしまっていたのであった。

 

で、久しぶりに色々とご縁があって、掲題のイベントに昨日参加してきた。

 

medium.com

なんとなく半プライベートっぽいイベントだったので、イベントの内容をどこまで書いていいのか悩ましいのだけど、もしイベント関係者の方が見ていて問題があればご指摘ください。

 

内容としては大きく 3 つあって、

  1. Y Combiantor の Startup Investor School の要約
  2. 日本のエンジェル投資家の実例
  3. 日本で実際にエンジェル投資するときの契約まわりとか税控除の話

という感じであった。

 

最初の「Y Combiantor の Statup Investor School の要約」については講演資料が公開されているので、詳細は資料を参照いただきたい。

 

www.slideshare.net

Startup Investor School とは、Y Combinator (って言って分かりますかね。不動点演算子のことじゃなくて、主に初期段階のベンチャー企業に対して投資をするアメリカのシリコンバレーにある超有名な投資ファンド) がエンジェル投資家に向けて公開しているコンテンツで、その全訳が下記で読める。素晴らしい。

 

bfore.hongotechgarage.com

講演資料の 3 ページ目にもあるとおり、このうちの #02 #04 #07 #08 #11 がおすすめみたいなので、忙しい人はこの 5 つだけ読むのが良いらしい。素晴らしいドキュメントなので、ぜひ。

 

bfore.hongotechgarage.com

bfore.hongotechgarage.com

bfore.hongotechgarage.com

bfore.hongotechgarage.com

bfore.hongotechgarage.com

で、印象としてはその次の「日本のエンジェル投資家の実例」の講演とも共通する内容で、個人的に印象に残ったのは

  • 長期的な視点に立って投資する
  • 金儲けではなく世の中を良くするために投資する
  • 事業ではなく人(創業者・創業チーム)を見て投資する
  • エンジェル投資による最大のリターンはお金ではなく、投資家コミュニティとのつながりがもてること

あたりですかねえ。どちらかというと儲けというよりは社会貢献とか純粋に楽しいから、という動機がないとエンジェル投資はできないなあ、という印象。

 

あとは実際にベンチャー企業に投資する、となった時に契約書を締結するのだけど、どうしても色々と複雑になりがちなので、それを解決するためのシンプルな投資契約書 (J-KISSとかSAFEとか) がある、というのも勉強になった。SAFE については Startup Investor School でも #3 で説明されているけど、J-KISS もだいたい同じようなもの、という理解でいいみたい。

 

bfore.hongotechgarage.com

あとはそのものずばり「エンジェル投資家」という書籍も紹介されていたので、あとで読んでみたい。

 

総じてエンジェル投資家とはどういうものか、ざっと理解できて勉強になった。のだけど、自分がエンジェル投資家になるのは難しいなあという印象。そもそも、まずは先立つものがないとねえ。

 

さいごに、講演者の方々、スタッフの皆様、素敵なイベントをありがとうございました!

IT 系イベントいくつか

前回のエントリで「更新のペースはまあ週に 1 回か 2 回程度できればいいかな」とか書いておきながら早速 1 ヶ月ほど放置してしまった。その間にも IT 系の勉強会っぽい何かにいくつか参加したので、忘れないうちにメモ。

 

techplay.jp

ええと、これはなんと言えばいいのだろう。TECH PLAY という IT 勉強会のまとめサイトがあるのだけど、そこのアンバサダー(って何だ)に就任した tagomoris さんの就任祝い、だったんですかね。何だかよく分からず参加した人とひたすらおしゃべりする、という感じだった。隣り合った人と話をしてみたら、たまたま今の職場の近くにお勤めの方で取引もある方だったので、世間は狭い。何を話したかはあんまり覚えていないのだけど、今何が流行ですかねー FinTech とかですかね、という話をした、ような。あとは渋谷に VR カフェをオープン予定という方ともお話をしたのだけど、VR まだちゃんと体験したことがないのでオープンしたら一度行ってみたい。あとは以前よく参加していた地域 Rubyist コミュニティ Asakusa.rb のメンバーと久しぶりに再会したのでおしゃべりするなどして終わった。そういえば最近 Asakusa.rb 全然行ってないので久しぶりにまた参加しようかな。とりあえず最近なにが流行っているか(FinTech とか VR とか、AI とかディープラーニングとか、クラウドでどうビッグデータを扱うかとか)というのが聞けたので満足。あ、肝心の tagomoris さんとはお話できなかったのであった。また別の機会に。

 

japanhci.connpass.com

Hyper-Converged Infrastructure というカテゴリーの製品が最近登場したらしいのだけど、それを扱うベンダやユーザーの集う会、なのかな。ようするにプライベートクラウドをお手軽に構築できるという製品なのだけど、話を聞いている限りはそれほどお手軽でもなさそうなのと、一度導入すると以後スケールさせるためには同じベンダの製品を購入し続けることになるのでベンダロックインだよなーどうなんだろう、という感じであった。コスト面では AmazonGoogleMicrosoftパブリッククラウドと比較してどうなんだろう、というのも気になる。まあどうしてもパブリッククラウドは使いたくないという需要があるのは理解できるのだけど、このカテゴリーの製品がマーケット的に今後広がっていくのかどうかは個人的には疑問符である。製品ビジネスって難しいね。

 

atnd.org

ええと、内容としてはほぼ映像解析プラットフォーム SCORER の宣伝、という感じだったかな。IoT というのを突き詰めて考えるとセンサーが集めたデータを取ってきて分析して何かアクションする、ということで、一番お手軽なセンサーってカメラだよね、スマホに標準でついてるからね、というのはまあその通り。スマホタブレットを本来の目的以外に使う(今回なら IoT のセンサー代わりにする)、というのは結構あちこちで見かけるようになった気がする。大量に作ると安価になるからね。あとは IoT 側で撮影した映像をクラウドに持ってくるには LTE などのセルラー網が必要なので MVNO もやっている、というのが面白かった。アップロードだけ高速な契約で大容量の契約をしているので安価に高速な通信が利用できるらしい。あとはクラウド側に持ってきてからの映像解析に必要なエンジンもプロ向けのものは高価なので SCORER 側が大口契約して利用者は安く利用できる、というのも同様に「大量に仕入れて小売する」感じかな。さっきの話にもつながるけど、色々な要素を組み合わせてビジネスにしていくのが今後ますます求められることなんだろうね。

 

connpass.com

SELinux って最近どうなんだろう、ということで聞いてきたのだけど、一昔前は「とりあえず SELinux はオフに」みたいな風潮だったのだけど、今はポリシーの雛形も一通りそろっているので、使うのが当たり前、みたいに(少なくとも海外では)なっているらしい。そうなのか。デモでは SELinux をオンにしていればこないだの Apache Struts2脆弱性も防げたよ、ただし標準のポリシーの雛形がダメダメだったので実は防げなかったらしいけど、という話を聞くと何だかなあという感じである。まあちゃんと設定したとしても SELinux なら何でも防げるわけじゃなくて、当然正常なアクセスは防げない(だから DoS 攻撃とかは防げない)わけで、限界をちゃんと知っておくことと、ちゃんと理解して設定しましょうね、という話であった。どうなんですかね。みなさん SELinux ちゃんと使ってます?

 

futureofdata.connpass.com

さっきの IoT の話と絡むのだけど、大量のデータをどう処理してビジネス価値に転換するかという仕組みをオープンソースソフトウェアやクラウドベンダー各社のサービスを組み合わせ構築する場合の最近の流行みたいなのを一気に聞けて勉強になった。んだけど、それがどれだけのユーザーに必要とされているのかいまいちよく分からず。もちろん技術的には面白いんだけど、IoT のビッグデータクラウドの AI でディープラーニングですよ!的なバズワードに踊らされる前に、自分たちのビジネスにそれが本当に必要なのかを良く考える必要がある。

 

という感じでまとまってないけど、最近参加した IT 勉強会っぽいもののまとめであった。ちょっとまた本業が忙しくなりつつあるのでどうなるか分からないのだけど、今後もちょくちょく参加して行こうと思う。東京はこういう IT 勉強会っぽいのがたくさんあって良いね。

SQLアンチパターンNight Part2 に参加してきた

ここ数年本業が忙しくなってしまった関係で、すっかり IT エンジニアコミュニティとか IT 勉強会とかそれ系のカンファレンスとか、そういったものとは縁遠くなってしまったのだけど、ここしばらくはようやく少し余裕が出て来たので、ものすごく久しぶりにそれっぽいものに参加してきた。

 

connpass.com

 

資料も公開されている。

 

speakerdeck.com

 

結論から言うと、参加してとてもよかった。何がよかったかと言うと、まず現在の SQL というかリレーショナルデータベースについて学ぶための書籍の概観を知ることができたこと。昔は本当に入門書はたくさんあるけれど、次に進むためのステップがなかった。そう言う意味では本書は中級者向けであるし、最近では中級者向けの本がとても充実してきていると言うことを知ることができてよかった。いわゆる「学習の高速道路」が整備された状況と言ってもいいのだろうね。

 

japan.cnet.com

 

とくにデータベースの設計が悲惨だとシステムに後々まで禍根を残すことになるので、こうした「学習の高速道路」できちんとリレーショナルデータベースを学んできちんとしたテーブル設計ができる人が増えてくると、変なテーブル設計のシステムに苦しむ不幸なエンジニアが減っていくんじゃないかなあという淡い期待を持っていたりするんだけど、どうなんだろうね。

 

次に「アンチパターンのお焚き上げ」ということで、原著が書かれた 2010 年ではアンチパターンであったものが、2017 年現在ではアンチパターンではなくなりつつあるものもある、と言うのが面白かった。とくにみんながハマるようなことはきちんと SQL 標準となり、標準となったからには各データベースエンジンに実装されていく、と言うエコシステムがきちんと息づいているのだなあと感心した。SQL は進化の止まった古臭い言語なんかではなくて、今も変化し続けている実用言語なのだね。バッドノウハウ的なものをたくさん知ることで個別に運用回避するのではなく、きちんと新しい標準に反映させて、本流として使っていくのがいい、と言うのはまさに王道である。例えて言うなら Ruby on Rails のバージョンを固定して使うのではなくて常に Edge を使い、不具合があったら Edge そのものを直した方がいい、と言うのに似ていなくもない。

 

あとは Rails の Edge にもっとみんな Pull Request を送ろうみたいな話の SQL 版みたいな感じで SQL の標準にこうした仕様を提案したりするプロセスがどうなっているのか、みたいな話があると面白かったかな。当日に質問してみればよかった。

 

まあそんな感じで大変有意義なイベントでした。会場を提供していただいた VOYAGE GROUP さん、そして公演していただいた和田さんに感謝。

 

と言うわけでこれからは徐々にこうした IT 勉強会的なものへの参加を徐々に増やしたり感想をブログに書いたりと言った活動をぼちぼち復活させようかな、と思ったのだけど、こうしたことを書き連ねる個人メディアが諸処の事情で散逸してしまったので、はてなブログをはじめてみることにした。これが最初のポストになる。更新のペースはまあ週に 1 回か 2 回程度できればいいかな。